『その日一度きりの勝負』これは私の大好きなお芝居と競馬の共通点です。アフレコ等の収録のお仕事というのは、一度収録してしまうとやり直しが効きません。１０年前のものを観かえして「今ならこうするのに…！」と思ったり、はたまた「いや、これは当時にしか出せなかったものかも」と思ったりもする。だから全力で考え、全力でその日に臨む。周りの方々のお芝居に耳を傾け、心で感じる。
競馬もそうだ。「あのレースをもう一度やり直したら結果は変わっていただろうか」「もし馬場状態が違っていたら」「あの場にこの馬がいたなら…」など〝たられば〟を考えてしまうけど、それも一つの楽しみではあります。 しかし結果はたった一つしかない。変えられない。そのために馬や関係者の皆さまは稽古し、私たちは真剣に予想する。運も実力も味方につけての瞬発勝負です。だから競馬が好きなのかもしれないな、なんて。最近、朗読劇の稽古に参加しながらしみじみと考えていました。 しかしまたこれが朗読劇というのは面白いもので、その日一度限りの生のお芝居でありつつも、公演数が何度かあれば毎回違うものになる。〝たられば〟が現実になるのだ。「明日はここをチャレンジしてみよう」「アプローチを変えてみよう」と私だけでなく仲間たちも考える。同じセリフを交わしていても、表情やテンポが違うとまた昨日までと別物になる。新鮮～！
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