現在日本では、電力のkWh市場(スポット市場、時間前市場)とΔkW市場(需給調整市場)が分散している市場制度を運用しているが、市場価格の高騰や調整力の調達不足という課題を抱えている。今後の変動性再エネの更なる大量導入を見据え、これら課題に対処するため、kWh市場とΔkW市場を一体化した「同時市場」の導入が検討されている。
同時市場では、発電機特性を踏まえた市場約定ロジック(Three-Part...
これに対して同時市場では、Three-Part Offerと呼ばれる、起動費、最低出力費用、限界費用が最経済となるように、系統制約を考慮した上で、電源の起動停止(SCUC)や出力量(SCED)の決定が行われる。なお、Three-Part Offerの一要素である「限界費用カーブ(marginal cost)」とは、発電機の出力を1kW増加させるときに掛かる追加費用のことであり、米国では、Incremental Energy Offerなどと呼ばれている。ところが、日本の現行制度で「スポット市場の限界費用余剰全量供出」と言ったとき、「コストベース」といった文脈で「限界費用」という用語が使われているため、両者の混同を避けるため、Three-Part Offerの場合は「増分費用カーブ」と呼ぶこととした。以降、本稿でもこれに倣うこととする。
現行制度のkWh市場では、複数の電源を組み合わせて(電源を特定せず)入札を行う「ポートフォリオ入札」が一般的であり、また、地域間連系線の混雑は約定処理に反映されるものの、地内の系統混雑は考慮されない仕組みとなっている。このため、発電事業者等のバランシンググループ(BG)による発電計画をベースとしながらも、インバランスの調整や系統安定性維持のため、一般送配電事業者(系統運用者:TSO)が需給調整市場のみならず余力活用契約を使って、BGの発電機の追加起動停止や出力変更を行っている。BG発電計画とTSO運用の乖離が小さい状態であれば、現行制度でもそれほど問題とはならないものの、今後、再エネ余剰時の出力制御や地内系統混雑への対応が増えると、電源運用が煩雑になり、安定性・効率性の両面から問題が生じることが懸念されている。
これに対して同時市場では、基本的に大規模電源については「電源単位」の入札になるほか、TSOが考慮すべき全体の需給・系統状況等を事前に織り込んだ上で約定処理が行われる。これにより、ゲートクローズ(GC)以前と実需給断面での電源運用・系統運用がより整合的になるように、kWh(供給力)とΔkW(調整力)の取引が可能となると期待されている。
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