関東エリアの高校3年生が志望したい大学1位になった早稲田大学。
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リクルートが運営する「リクルート進学総研」は7月14日、高校生に志望したい大学などを調査した「進学ブランド力調査2022」を発表した。
調査は2022年3月~4月に郵送で実施。全国の高校3年生(2023年3月に卒業予定)のうち、大学進学希望者だった4978人分の回答をまとめた。
関東では「早稲田」が2年連続1位
出典:『進学ブランド力調査2022』
調査の結果、関東エリアの高校生が志望したい大学1位は2年連続で「早稲田大学」、2位は「明治大学」だった。
東海エリアの1位は6年連続で「名城大学」、2位は「名古屋大学」。
関西エリアでは1位が15年連続で「関西大学」、2位は「近畿大学」という結果だった。
卒業後を考えて「工学」人気
進学希望分野の回答の一部。工学系は2年連続で希望者が増えている分野がある。
出典:『進学ブランド力調査2022』
進学希望の分野については、「工学系」の人気が高まっている傾向があった。
2年連続で、志望が増えたのは以下の分野。
- 「工学(電気・電子・情報)」
- 「工学(エネルギー)」
- 「工学(機械)」
- 「生物・農・獣医・林産・水産」
- 「薬学」
- 「情報」
- 「法律・政治」
- 「社会」
一方で、2年連続で希望者が減ったのは以下だった。
- 「観光・コミュニケーション・メディア」
- 「外国語」
- 「看護」
- 「教育・保育」
リクルート進学総研所長の小林浩氏。
記者会見を編集部キャプチャ
この結果についてリクルート進学総研所長の小林浩氏は、「大学で学んだことをどう生かすかという出口への意識が強まっている」と指摘。「卒業後も社会で活躍できる」という観点から、大学や学部を選ぶ傾向が強まっているとした。
また奈良女子大学の工学部開設(2022年度)や、お茶の水女子大学の共創工学部開設(2024年度)について触れ、次のように指摘した。
「工学部の人気は一時的なものではないと考えている。これまで少なかった女子高校生が、工学系へ関心を持つようになれば今後さらに理系人気が広がるのではないか」
また進路を検討するときに重視する項目については、「学びたい学部・学科がある」が最も高く、「就職に有利である」、「教育方針・カリキュラムが魅力的である」 、「卒業後に社会で活躍できる」という項目も2年連続で増加した。
関東・東海では「国公立志向」が増加
関東エリアで国公立か私学志向かを質問した結果。
出典:『進学ブランド力調査2022』
また調査では国公立と私学、どちらの進学志向かも調査した。
その結果、関東や東海では、国公立大学を志望する割合が増えていた。
関東エリアでみると、国公立志向は35.6%で、前年の32.8%から2.8ポイント増えた。一方で、私立志向は54.0%で前年の58.4ポイントから4.4ポイント低下した。
東海エリアも国公立志向が強まっており、東海エリアでは国公立志向は57.3%(前年比3.3ポイント増)で、私立志向は33.7%(前年比3.3ポイント減)だった。一方で関西エリアでは、国公立志向は微減し42.4%(前年比0.1ポイント減)、私立志向は46.4%(0.1%増)だった。
この結果について前出の小林浩氏は、こう分析する。
「景気が悪くなると国公立志向が増える傾向があるが、全体でみるとそこまで国公立志向が高まっているとは言えない状況だ。ただし、コロナによる景気への影響がこれから出てくる可能性もある」
(文・横山耕太郎)