敵対的生成ネットワークは、生成ネットワークと識別ネットワークの2つで構成されます。「生成ネットワークが生成したものを識別ネットワークが判定し、その結果を生成ネットワークにフィードバックさせる」というサイクルを繰り返すことで、AIそのものの精度を上げていくという仕組み。つまり、5万本のプレイ動画を見て学習したGameGANの生成ネットワークがシミュレーションとしてパックマンを生成し、その結果を識別ネットワークが判定していくことで、GameGANによるシミュレーションの精度が高くなっていくというわけです。
GameGANは学習と訓練を繰り返しながら「パックマンが迷路の中を移動し、壁は通り抜けられないこと」「幽霊がパックマンを追いかけること」「幽霊に触れるとパックマンが死んでしまうこと」「パワーエサというアイテムをゲットすると幽霊が青くなり、パックマンが幽霊を食べられるようになること」といったパックマンの基本ルールを学び、生成するゲームにフィードバックさせていったとのこと。 GameGANが生成したパックマンはアプリケーションとして出力でき、人間もプレイできるとのこと。最終的に生成されたシミュレーションの精度は非常に高く、バンダイナムコ研究所の未来開発統括本部長である堤康一郎氏は「AIがゲームエンジンなしで、パックマンの楽しさを再現できるとは信じられませんでしたが、プレイしてその結果に驚きました」とコメントしています。
ただし、GameGANのゲームプレイスキルがあまりにも高すぎたため、GameGAN自体はゲームオーバーになることがほとんどなく、GameGANの中で「パックマンは死なない」というバイアスが形成されたと研究チームは報告しています。そのため、GameGANが生成したパックマンでは「プレイヤーの操作するパックマンが死んでしまうこと」が許されず、通常であればパックマンが死んでしまうような操作を入力した場合、AIがその結果を回避するためにゲームそのものを改変する可能性もあるそうです。
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