【シンガポール=森浩】ニュージーランド(NZ)で14日、総選挙(一院制、基本定数120)の投開票が行われ、中道右派の野党・国民党が勝利した。ラクソン党首の次期首相就任が確実になり、6年ぶりに政権が交代する。ラクソン氏は大規模なインフラ整備計画を打ち出しており、財源として中国の支援に期待を表明。NZに近い南太平洋地域で中国が覇権的な海洋進出を進める中、新政権の対中姿勢が注目される。選挙は景気低迷や物価高への対策が主な争点となった。ラクソン氏は景気低迷はヒプキンス政権の失政と批判し、中間層への減税などを公約に掲げ、市民に浸透した。
ラクソン氏は選挙戦で景気刺激策として、240億NZドル(約2兆円)規模の道路整備計画を打ち出したが、期待するのが中国の支援だ。ラクソン氏は選挙前のインタビューで、道路整備で中国からの資金援助は「絶対に」受け入れると発言している。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を巡って参加国が債務問題に直面しているとの批判については、「単純化した反応だ」と言及。中国の融資はメリットが多いとの見方も示した。 ラクソン氏は安全保障面で米国やオーストラリアと連携する考えを示しているが、NZの対中融和が顕著となれば、米英NZなど英語圏5カ国の情報共有枠組み「ファイブ・アイズ」の結束に影響する可能性はぬぐえない。米外交誌ディプロマット(電子版)は「NZは信頼性が高く、透明性がある投資家を探すべきだ」と指摘し、ラクソン新政権の対中接近にくぎを刺した。
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