DeNA山崎康晃投手(28)が経験の力を発揮する。侍ジャパン24人の選手が持つ武器やストロングポイントにスポットを当てる連載「侍の宝刀」。プレミア12で世界一を決めた守護神が、本拠地で再び頂点をもたらす。山崎は救援陣で随一の日本代表経験を持つ。プロ1年目の15年、第1回プレミア12で最初の侍ジャパン入り。小久保監督から稲葉監督に代わった17年以降も、常にメンバーに名を連ねた。中でもハイライトは19年の第2回プレミア12。守護神として5試合に登板して無失点で3セーブ。決勝の韓国戦では最終回を締め、胴上げ投手となった。今回のメンバーで公式戦でも救援専門の投手は、山崎と栗林(広島)平良(西武)岩崎(阪神)の4人。山崎は圧倒的な実績を持つだけに、稲葉監督も「国際大会の経験が豊富な彼には、リリーフ陣を引っ張っていってもらいたい」と期待する。山崎は「国際大会で今まで経験したことを糧に頑張っていきたい。長く戦っていれば、コミュニケーションも取らなければならないと思う。コミュニケーションに関しては僕は自信があるので。前向きに頑張っていきたい」とブルペン陣をまとめる意向を示した。
昨季は防御率5・68と不振に陥り、今春のキャンプはプロ7年目で初めて2軍スタートとなった。「(オリンピックに)出たいなという気持ちはありましたけど、現実的に考えられるものなのかなと考えたら、ちょっと遠いものになっていました。東京五輪の文字がほとんど頭の中になかったくらい自分にいっぱいいっぱいだったので」。1軍に復帰したのは開幕直前だった。 直球とツーシーム一辺倒だった投球を変えた。ツーシームを大小2種類に増やし、カットボールを加えて1軍に復帰。進化したスタイルで防御率1点台の投球を続けている。「苦しい経験も今に役立っているのかなと思う」。1年目からクローザーを務めてきたが、今季は8回を任される。挫折も知り、投球も視野も幅が広がった。
五輪の決勝は本拠地の横浜スタジアムで行われる。「誰よりも横浜スタジアムのグラウンドを知っているところもある。ホーム球場での開催で、非常に横浜のファンの皆様も楽しみにしてくださると思う。日本の野球のレベルの高さを示せるいい舞台だと思う」。通算203試合に登板し、78セーブを挙げている舞台で、世界に実力を見せつける。【斎藤直樹】
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