道民の多くが「北海道は暮らしやすい」と思う理由の一つに<物価の安さ>があります。昔は違いました。本州よりも割高な<北海道価格>が横行し、消費者を悩ます時代が長く続いていたのです。北海道価格を打破し、今日の物価安定をもたらす転換点は何だったのでしょうか。源流をたどると、1961年という年に突き当たります。この年の7月、北海道大学生活協同組合(北大生協)が、北大キャンパスから北に約2キロ離れた地域に出店した北大生協大学村店―。<奇跡の小売り王国>はここから始まりました。(経済部デジタル委員...
下の表は、6699品目の食品値上げ(帝国データバンク調べ)があった22年10月の小売物価統計調査(総務省統計局)から加工食品30品目を抜粋し、札幌と3大都市(東京、大阪、名古屋)の小売価格を比較したものである。比較に際しては、地域性の出やすい生鮮、日配品(納豆や豆腐など)、主食米を除外し、加工食品も地域差が出にくいものを選んだ。ただし、消費者の“負担感”は札幌市が一番重かった。同じ30品目の合計価格について新型コロナウイルス禍前の19年8月と比べてみると、札幌市の上昇率12.2%は4都市の中で突出して高い。19年8月の札幌市の合計価格は、大阪市の合計価格よりも9.2%安かったが、22年秋の値上げを経て、その差は4.1ポイントも縮小した。本州に比べ、食品価格は総じて安いが、22年秋の値上げの影響はより大きかった―。こうした北海道の特質は、道内の食品小売市場がイオン北海道、コープさっぽろ、アークスの3大グループによって寡占化された結果と説明できる。帝国データバンク札幌支店がまとめた20年度北海道内スーパーストア売上高ランキング(20年4月期~21年3月期決算)に基づき、3大グループの道内売
3千億円という売上高は、国内小売業全体でも50傑に入る規模である。それほどの<売る力>を持つグループが三つ並び立ち、互いにけん制しながら、メーカーや中間流通業者と条件交渉するのだから、納品価格はおのずと下がっていく。メーカー側の立場に立てば、広大で人口密度の低い北海道で営業のためのコストをかけるより、3大グループとの取引条件を優遇し、市場の8割を押さえた方が得策という計算が成り立つ。こういう流れができると、メーカー側は3大グループにしか好条件を出さなくなり、それ以外の勢力は3大グループの傘下に入るか、廃業する以外に選択肢がなくなる。結果、<3極寡占化>がさらに進んでいく―。...
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ソース: doshinweb - 🏆 31. / 63 続きを読む »