リチウムイオンバッテリーはセパレーターで分けられた正極と負極の間をリチウムの電子(イオン)が移動することで電力を発生します。しかしその容量は正極、負極の面積に比例します。小型のモバイルデバイスでは、電極面のサイズをこれ以上増やすことは困難です。
Enovixは負極の構造を「シリコンウエハース+金属箔+セラミック」という三層のセル構造を取ることで、同じサイズのリチウムイオンバッテリーに対して30~70%もの容量アップすることに成功しました。同社の「3D Silicon Lithium-ion cell」は実際にスマートウォッチ向け、ウェアラブルデバイス向け、スマートフォン向けなどの製品がラインナップされています。では実際にどれくらいバッテリーの容量が増えるのでしょうか? ガーミンのスマートウォッチ「Forerunnner 235」のオリジナルバッテリーをEnovixのものに交換したところ、容量は70%アップし最大15日間使用できたとのこと。Forerunner 235のカタログ上の最大使用可能時間は9日ですから、1.5倍も電池の持ちが伸びています。こうなると、ほかのスマートウォッチ、たとえばApple Watchでもテストしてほしいですね。また眼鏡型のヘッドフォン、BOSEの「Frames Alto」のバッテリーを交換したところ、容量は133%アップ。音楽再生時間3.5時間が、8時間とこちらも大きく伸びています。3.
「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!
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