さて前回は、測定器を用いた「イコライザー」の調整方法を紹介した。そしてそのときには、「ピンクノイズ」と呼ばれるテスト信号を使うと良いと説明したのだが、「イコライザー」調整に使えるテスト信号はまだ他にもある。
まず、入手しておくと便利なのは、「31バンド」とか「13バンド」のテスト信号だ。愛用しているメインユニットやプロセッサーの「イコライザー」の各バンドに一致するテスト信号が手に入ると便利に使える(バンド数が同じなら、各バンドの周波数も一致する場合が多い)。もっとも低い音を再生する際には、システムの能力的にその音をしっかり鳴らせないこともある。なので聴こえないからといってむやみに音量を上げてしまうと、他のバンドの音に変わったときに大音量で鳴ってしまう。よってボリュームは、テスト信号を流す前にあらかじめいつもと同じくらいに合わせておくことが肝要となる。そして基本的に以後は、ボリュームの上げ下げはしてはいけない。途中で音量が大き過ぎたと感じたら一旦下げ、また一番低いバンドの音から聴き直そう。
そうして各バンドのテスト信号の音を順番に再生していくと、特に音量が大きくなったり小さくなったりするバンドが見つかることがある。もしもそうなら、それらが他と同じくらいの音量になるように「イコライザー」にて調整しよう。そしてもう1つ、「スイープ信号」と呼ばれるものも入手しておくと使える。これは、音程が20Hzから20KHzまで徐々に上がっていくという信号だ。これを再生して途中で音量が不自然に上がったり下がったりするところがあれば、それらは「ピーク」や「ディップ」だと推察できる。なのでそういったポイントをメモっておいて、後から「イコライザー」にて補正をかけよう。 ところで前回の記事でも触れたが、テスト信号にて調整した後には音楽を再生して確認することもお忘れなきように。音楽を流して不自然に聴こえるようなら、何かが間違っていた可能性が浮上する。上げたところが上がり過ぎていないか、下げたところが下がり過ぎていないか等々を確認しよう。
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