このボース=アインシュタイン凝縮は「気体・液体・固体・プラズマ」に続く「第5の物質状態」と呼ばれ、物質が波のような性質を見せて原子の集まり全体が1つの大きな原子のように振る舞うようになるため、素粒子の仕組みなど物質の本質に迫る研究をしている物理学者にとっては魅力的な研究テーマとなっています。ボース=アインシュタイン凝縮の研究をするため、科学者らは物質を可能な限り冷却する実験を繰り返し行ってきましたが、これまでは地球の重力の影響で原子が動いてしまい、原子が止まった状態、つまり絶対零度に近い状態をなかなか作り出せないという課題を抱えていました。
そこで、ドイツ・ライプニッツ大学ハノーバー校やブレーメン大学応用宇宙技術・微小重力センターの研究チームは、「Fallturm Bremen」と呼ばれている施設内部で実験設備を自由落下させ、その中で物質を冷却する実験を行いました。研究チームはまず、真空状態にした容器の中に10万個のルビジウム原子のガスを入れて磁気で閉じ込め、2ナノケルビンまで温度を下げて、ボース=アインシュタイン凝縮を発生させました。 そして、実験設備を120メートル自由落下させて無重力状態にすると同時に、真空容器の中の磁気のオン/オフを切り替えました。磁場がなくなるとガスは膨張し、磁場ができるとガスは再び収縮します。これを素早く繰り返すことでガスが運動を停止し、温度を効果的に低下させられるとのこと。
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