英国のユースティス環境相は、英国とEUの貿易協定を巡る交渉について、今週進展があれば延長される可能性があるとの見解を明らかにした。写真は9月、ロンドンで撮影(2020年 ロイター/Hannah McKay)英国のEU離脱移行期間は12月31日で終了。終了前のFTA締結に向け交渉が鋭意進められているが、EU関係筋はこの日、ロンドンで週末の間に行われた交渉は「困難だった」とし、漁業問題のほか公平な競争政策などを巡る「見解の大きな相違」が埋められなかったと述べた。
英首相報道官は、ある程度の進展は見られたとしながらも、「漁業や競争問題を巡り見解の相違が存在している」と指摘。「できるだけ早期に合意にこぎつけたいが、英国は交渉姿勢を変えないとこれまでも明確に示している」と語った。 アイルランドのコーブニー外相は「残された時間は少なくなっている」と指摘。ドイツのメルケル首相は、一部EU加盟国の忍耐は限界に近づいているとし、「われわれはいかなる代償を払ってでも合意するつもりはないとこれまでも明確に示してきた」と述べた。「企業のほか、関税局などの政府当局は、合意が得られなかった場合、何に関税がかかるのか情報が必要になる」とし、「これまで緊急措置の発動は延期してきたが、これ以上は延ばせない」と述べた。
英国のフロスト主席交渉官とEUのバルニエ首席交渉官は30日も協議を継続。EU交渉団はあと2─3日はロンドンにとどまるとみられている。バルニエ交渉官は、楽観的になる理由はあるかとの記者団の質問に対し、「決意を固める理由はある」と述べるにとどめた。ユースティス氏はスカイの番組で「時間が本当になくなっており、今週は重要な1週間になる。事態の打開が必要だ」と語った。ユースティス氏は「フロスト氏は合意できるとまだ考えているため交渉を継続していることを明確にしてきた。可能性がある間は辛抱強く続けるべきだ」と述べた。「この分析を用いると、われわれは英国の水域の魚の半分しか捕る権利がない。英国の漁師にとって非常に不公平で、修正の必要性を明確にしてきた」と述べた。
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