ゲンスラー委員長は4月中旬、米議会上院の承認を経てSECトップに就任した。6日は下院金融サービス委員会の公聴会に出席し、今後の金融規制・監督方針などについて語った。3月下旬に発生したアルケゴス問題を巡り、SECは取引金融機関などへの聞き取りを始めており、同氏の発言に注目が集まっていた。
アルケゴスはデリバティブ取引の一種、「トータル・リターン・スワップ(TRS)」を使って持ち高を膨らませていた。同取引は投資家が株式を保有せずに、株価上昇の利益を得たり、下落による損失を被ったりする仕組みだ。名目上の保有者は金融機関になり、アルケゴスなどの当事者は持ち高を公表する必要がない。 アルケゴスはTRSを「隠れみの」にして、特定の銘柄で集中的に持ち高を積み上げていた。同社が運用に行き詰まるまで、取引金融機関や当局はリスクを正確に把握できておらず、結果的に金融機関の損失も大きくなった。 現行ルールでは、株式保有額1億ドル(約109億円)以上の投資会社が四半期ごとに株式保有報告書「フォーム13F」をSECに提出しなければならない。さらに、投資先企業への出資比率が5%を超えたファンドは、「フォーム13D」と呼ばれる書類を出す必要がある。
ゲンスラー委員長は公聴会で「TRSの透明性を高める施策について提言をまとめるよう、SECのスタッフに指示した」と明かした。デリバティブを使った実質的な保有者にも株式保有者と同様、開示義務を課すかどうか検討する。
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