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仕事に差がつく!阿久津良和「Microsoft 365のスゴ技」 第44回

生まれ変わった「導入スコア」でMicrosoft 365の利用状況が可視化できる

2022年11月10日 09時00分更新

文● 阿久津良和(Cactus) 編集●MOVIEW 清水

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 本連載は、マイクロソフトの「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Microsoft 365 Apps(Office 365)」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。今回はMicrosoft 365管理センターの「導入スコア」に注目した。

 Microsoftは2022年8月末、法人向けMicrosoft 365に導入スコアを展開した。企業のMicrosoft 365利用状況を可視化し、活用を支援する機能である。筆者のテナントでも同社の発表直後から利用可能になり、少々驚かされたが、同社の言葉を借りれば、「導入スコアは以前の『生産性スコア』を代替する」機能である。生産性スコアはアプリの利用状況を可視化するため、プライバシー問題が指摘されてきたが、同社は「導入スコアを使用して、組織内の誰もがユーザーのアプリやサービスの使用状況に関するデータはアクセスできない」と説明している。

法人向けMicrosoft 365で利用可能な導入スコア

 上図は筆者テナントの導入スコアだが、確認できる情報は通信(Communication)、会議(Meetings)、コンテンツの共同作業(Content collaboration)、チームワーク(Teamwork)、モビリティ(Mobility)、エンドポイント分析(Endpoint analytics)、ネットワーク接続(Network connectivity)、Microsoft 365アプリの正常性(Microsoft 365 Apps Health)の8項目。それぞれに100ポイントずつ割り振られ、利用状況に応じて組織のスコアを示す仕組みだ。なお、エンドポイント分析を利用するには、Microsoft Endpoint Managerによる有効化が必要になる。共同作業を行なう相手も場面もない“一人親方”の筆者テナントでも、それなりの高ポイントを稼いでいるのは、Microsoft 365 Appsを定期的に更新しているのが大きいようだ。

スコアの詳細はドリルダウンで確認できる

 Microsoftは導入スコアの活用でDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進支援、会議の改善で週に最大104分、コンテンツの共同作業で一人あたり週平均100分、チームワークの改善で週最大4時間の節約につながると説明している。残念ながらその効果は“一人親方”で確認できないものの、ハイブリッドワークが一般的になった昨今であれば、組織のMicrosoft 365利用状況把握や、業務改善時の指針になるだろう。なお、導入スコアにアクセスできるのは、Exchange管理者、SharePoint管理者、Skype for Business管理者、Teams管理者、グローバル管理者、グローバル閲覧者、レポート閲覧者の役割を持つ従業員のみである。

「通信」はExchange OnlineやSharePoint Online、Microsoft Teamsを用いてネットワークの安定性を確認できる。ただし、「概要」「場所」を利用するには、Windows Location Servicesサービスの設定が必要だ

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