<インドの写真家アヴァニ・ラエは、いくつかの写真スタイルを持つが、どう分類されたいかと聞くと「単に写真家」と答える。性別で区分けされるのも好まないが、彼女の優れた点は、女性と社会との関係を逆手に取った作品も発表していることだ>ここ最近の写真界は、とりわけドキュメンタリーの分野において、欧米を中心とする先進国だけでなく第三世界と言われてきた国々でも、才能ある女性の進出が著しくなってきている。むしろ男たちの目に見えないものを潜在的に嗅ぎとる能力が備わっているだけに、より優れたものを生み出す可能性がある。ラエもそうした1人だ。
こうした写真哲学は、彼女の作品にもしばしば現れている。例えば2枚目の写真(下)は、人の肌、スキントーンに対して、ステレオタイプ的なものを作りがちなファッション写真界や広告界に対するメッセージを含ませている。ラエにとってのスキントーンは、それが白黒写真であろうがカラー写真であろうが、単純に自分が生み出そうとしているイメージの色合いにすぎない。
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