忠犬として知られる秋田犬ハチは今年、誕生から100年となる。生まれた月である11月の11、12日には古里大館市のニプロハチ公ドームで「ハチ公生誕100年フェスティバル」が開かれる。ハチの物語を後世へ語り継ぐ新たな契機としたい。
ハチは1923年に生まれ、翌24年、東京帝大(現東大)教授の上野英三郎博士に飼われることになった。毎朝出勤する博士に東京・渋谷駅まで付き添った。博士が25年に急逝した後もハチは頻繁に同駅に現れた。帰らぬ飼い主を待つ犬として新聞で紹介され、幅広い層の感銘を呼んだ。故郷の大館市、物語の舞台である渋谷区はハチが取り持つ縁で友好関係を築いてきた。2001年に災害時相互応援協定を締結。昨年は観光、文化、産業など各分野で交流を促進する協定を結んだ。来月のフェスティバルを含む生誕100年事業も両市区の官民で実行委員会をつくって展開している。ハチの物語の関係地としては渋谷区や大館市に加え、上野博士の出身地の津市なども挙げられる。ハチ生誕90年の13年にはゆかりの地の青年会議所が協力し、渋谷区で「サミット」を開いた。このような試みを継続的に行い、渋谷区以外の関係地ともつながりを深めていく努力が求められる。
大館市は各地との連携強化に加え、独自の情報発信を一層強めなければならない。ハチが大館市生まれであることは、全国的に認知度が高いとは言えない状況という。このことは市当局も市民も認識しており、長年の課題となってきた。 情報発信の担い手として、観光交流施設「秋田犬の里」や秋田犬会館など市内の拠点施設が重要であることは言うまでもない。同時に、市民一人一人にも語り部の役目が期待される。次の100年にハチの物語を引き継ぐには、子どもたちに伝える取り組みも欠かせない。
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