完了しました
全国高校野球選手権大会は13日、2回戦4試合が行われた。国学院栃木(栃木)は4投手の継投で大会連覇を狙った智弁和歌山(和歌山)に逆転勝ちして、初の2回戦突破。敦賀気比(福井)は市船橋(千葉)の追い上げをかわして、3大会連続の3回戦進出となった。新型コロナウイルスの集団感染により、抽選会で第8日に割り振られた4校の対戦では、浜田(島根)が有田工(佐賀)に競り勝ち、九州学院(熊本)は猛打で甲子園初勝利を目指した帝京五(愛媛)を退けた。
国学院栃木5―3智弁和歌山
国学院栃木は1点を追う六回に平井と長田の適時二塁打で逆転し、八回に平井がソロ本塁打。智弁和歌山はスクイズなどで手堅く攻めたが、相手の小刻みな継投に強力打線が力を発揮できなかった。
奇策にも見える小刻みな継投を、国学院栃木の
先発は背番号11の左腕・中沢。得意のスライダーを軸に2回を2失点と粘り、三回は三塁手の平井が1回を無失点。四回からは1メートル86の長身右腕・中川が、直球を軸に押して2回を無失点と、五回までに3投手をつぎ込んで2失点に抑えた。同点で折り返す「理想以上の展開」(柄目監督)で流れをつかんだ。
六回のマウンドには、1回戦で完投した背番号1の盛永が満を持して登板。立ち上がりに1点を失ったが、七回以降は得点を許さず勝ち切った。和歌山大会5試合計45得点の打線が機能せず、智弁和歌山の中谷監督は「継投は予想していたが、対応できなかった。相手の気迫に負けた」と脱帽するしかなかった。
八回にソロを放って投打で活躍した平井は「チャレンジャーとして攻めきれた」と振り返った。しかし、すぐに「強豪に勝ったのは自信だが、智弁和歌山に勝つのが目標ではない」と力を込めた。目指すは春夏の甲子園での最高成績であるベスト4。そして、その先へ。37年ぶりとなる夏で、まだまだ暴れるつもりだ。(永井順子)
2回以外連打なく…智弁和歌山
前回王者の智弁和歌山が、国学院栃木の4投手をつぎ込む継投策の前に、まさかの初戦敗退を喫した。中谷監督は「狙い球の徹底など、僕の指示不足」と肩を落とした。8安打を放ったが、2点を挙げた二回以外に連打はなく、強打が看板のチームには珍しく長打も九回の山口の二塁打1本に終わった。4打数無安打に封じられた4番岡西は「どの投手も制球がよく、やりにくかった」と脱帽。連覇を絶たれ「自分たちの実力が足りなかった」と唇をかんだ。
国学院栃木・柄目監督 「継投は計画通り。全員で攻めるという選手起用だった。点を取られたら取り返すイメージで戦えた」
智弁和歌山・中谷監督 「(連覇がならず)いろいろなものを選手に背負わせすぎた。監督の責任を感じる」