[東京 18日 ロイター] - 6月貿易統計では、対中だけでなく、中国との結びつきが強まっているアジア向けも含めて輸出の落ち込みが目立ち、米中貿易戦争の長期化が日本経済の重しになっている構図が浮き彫りになった。ただ、リーマン・ショック直後の落ち込みと比べると、減速テンポが緩やかで、政府が直ちに追加経済対策の検討に入る情勢ではなく、一部の政府関係者からは、政策対応が後手に回るリスクを指摘する声も出ている。
7月18日、6月貿易統計では、対中だけでなく、中国との結びつきが強まっているアジア向けも含めて輸出の落ち込みが目立ち、米中貿易戦争の長期化が日本経済の重しになっている構図が浮き彫りになった。写真は都内で5月撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung Hoon)6月貿易統計で目立ったのは、輸出の不振。全体は前年比6.7%の落ち込みとなり、輸出額の2割を占める中国向けは同10.1%減。中国依存度の高い韓国向けは同14.8%減、ASEAN向けが同6.7%減、同じく中国経済減速の影響を受けている欧州向けも同6.7%減と落ち込んだ。SMBC日興証券・シニアエコノミストの宮前耕也氏は「米中貿易戦争に伴って、中国国内における設備投資抑制やIT部門の調整が進み、その動きを反映した結果になっていると思う」と分析する。
対中国輸出を品目別にみると、輸出額全体の2割を占める一般機械が同17.8%減と大幅に減少し、中国国内で設備投資の勢いが失速し、設備投資関連財の需要が落ち込んでいることを示している。そのうち、半導体製造装置は同27.1%減となっている。この分野での大幅な需要減は、7月ロイター短観でも如実に示され、鉄鋼業の景況感はリーマン・ショック以来の低水準に低下しており、今回の貿易統計の結果と整合的といえる。数量ベースでみる実質輸出は、4─6月期に前期比0.1%増と1─3月期の減少から増加に転じた。 政府関係者の1人は「景気がじわじわと悪くなっているのかもしれない」と述べるとともに「知らぬ間に経済が縮小してしまうような状態が一番怖い」と「ゆでガエル」的に日本経済が景気後退に陥るリスクに対し、警鐘を鳴らす。ただ、政府の追加経済対策に対する動きは、今のところ、「緩慢」と表現できる対応にとどまっている。しかし、統計悪化が明確になり、景気の失速が表面化しないと「政府としても、対策を打つことができない。ジワジワと景況感が悪化した場合、そのタイミングを逸してしまうリスクがある」と、先の政府関係者は述べ、追加対策策定の具体的な時期の明示を避けた。<年後半回復シナリオ、後ずれの公算>
6月の輸入は全体で同5.2%減だが、商品に詳しいある市場関係者は、非鉄金属が同20.1%減と大幅に落ち込んだことに注目する。その関係者は、製造業の生産活動との関連性が高い銅の輸入が大幅に落ち込んでいる可能性があり、この先の鉱工業生産は楽観できないと指摘する。農林中金総合研究所・主席研究員の南武志氏は「政府・日銀ともに年後半の世界経済回復シナリオを採用しているが、回復の時期が後ズレする可能性が高まっているように思われる」と述べている。
短絡的に中国進出とかはしない方がいいってことかな。 いつ崩れるか分からないわ。
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