自民派閥、コロナ急増で研修会中止・縮小相次ぐ

自民党の各派閥が新型コロナウイルス流行の「第7波」を受け、夏の開催を予定していた研修会の中止や規模縮小を決めている。国会議員の感染者も相次ぎ、土壇場で開催を見合わせた派閥もある。7月の参院選や、今月10日の内閣改造後の研修会だったが、新型コロナが政治活動の制約になっている。

自民派閥の研修会は、お盆の前後に避暑地などで宿泊を伴って行うことが多い。外部講師を招いた座学で研鑽(けんさん)を深めつつ、所属議員同士の意見交換などを通じ、結束強化を図る狙いがある。今年は参院選があり、新人議員が加入した派閥も多い。

ただ、昨夏は政府が新型コロナ対応の緊急事態宣言を出していたこともあり、全派閥が開催を見送った。移動を伴う大人数での活動は感染リスクを高め、有権者から厳しい目でみられる恐れがある。

今年は感染が比較的落ち着いていた7月初旬ごろまで宿泊形式の研修会を計画する派閥が多かったが、その後、感染が拡大した。

森山派(近未来政治研究会、7人)は他派閥に先駆け、7月29日に鹿児島県霧島市で開催する予定だった。しかし、感染拡大に加え、所属議員の陽性も確認されたため、前日の同28日に開催見合わせを決めた。

最大派閥の安倍派(清和政策研究会、97人)は長野県軽井沢町のホテルに宿泊して開催する案も検討したが、最終的に9月に東京都内のホテルで宿泊しない形式で開くことを決めた。

麻生派(志公会、50人)は今月31日に横浜市内のホテルで開く方向だが、宿泊は取りやめた。岸田文雄首相(自民党総裁)率いる岸田派(宏池会、43人)も、9月6日に東京都内のホテルで研修会を予定するが、宿泊はしない。

今夏の開催中止を決めたのは茂木派(平成研究会、54人)だ。事務総長の新藤義孝元総務相は「秋以降、社会的状況を見て何らかの形で集まれるような場は作りたい」と語る。

二階派(志帥会、43人)も夏の開催を見送り、10月初旬に静岡県で泊まりがけの研修会を計画するが、今後の感染状況に気をもむことになりそうだ。(児玉佳子)

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