湖国が舞台となった歴史小説「 塞王（さいおう） の 楯（たて） 」（集英社）で１９日、第１６６回直木賞を受賞した大津市の今村翔吾さん（３７）。読売新聞の取材に「主人公、ライバル、舞台。全てが滋賀の小説で受賞できた。県民に喜んでもらえたらうれしい」と喜びを語った。（辻井花歩）主人公は、滋賀県内に実在した石工集団「 穴太衆（あのうしゅう） 」の後継者という設定。城の石垣という最強の 楯（たて） が戦のない世につながると信じている。ライバルは、鉄砲など矛となる武器を造る鍛冶集団「国友衆」。合戦でぶつかる異なる二つの正義をつづった。滋賀との縁の始まりは２００９年。父が県内などで経営するダンススクールでインストラクターを任され、移り住んだ。その後、守山市立埋蔵文化財センターの職員として発掘調査に関わりながら小説を執筆。今年でデビュー５周年になる。
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