南国・宮崎の暖かな日差しに“しぶこスマイル”が映えた。18番で4メートルのパットを沈めてバーディー締め。前半は1オーバーも、後半だけで4つ伸ばして浮上した。上下黒色のウェアは「真っ黒だから太陽の光を全部吸収して、全部汗に変わった」。20度近くまで上昇した気温とともに調子が上がり、陽気に笑った。
今季から主戦場とした米ツアーでの成長を披露したのは、バーディーにつなげた13番のバンカーショットだ。ピンまで20ヤード。左つま先下がりで「メッチャ難しかった」というが、58度ウェッジを振り抜き1メートル余りにピタリ。「自分でもビビった。すんごいスピンのかかったボールで出て、キュキュキュッとね。分からんけど。止まったみたい。ドヤ顔ですね」。しぶこ節で胸を張った。 自身と同じく、日本の代表として世界で戦う存在が好プレーを後押しした。サッカー日本代表が23日夜のW杯初戦でドイツに勝利。先週、米ツアー最終戦を終えて22日に帰国したばかりの渋野は、時差ボケもあり午後9時頃に就寝して生観戦できなかったが、「朝、結果を見て、マジで!?って。見れば良かったと後悔した」と苦笑い。それでも、在宅時にはよく試合観戦をすると明かし「すごく勇気をもらうし、見ていて感動する。団体競技が好きだから、余計に。朝すぐテレビをつけて、ニュースもそればっかりだから良かった」。劇的Vの映像で、自らの士気を上げた。
今大会開幕前の会見では、この1年を「ふがいない結果」とまとめた。米ツアーではポイントランクによる来季シード権を獲得したが、国内ツアー3戦を含めて今季は未勝利。だが、この最終戦で国内7勝目、通算8勝目となれば日本のファンにも大きなプレゼントになる。今月15日には誕生日を迎え、「上を向いていくだけ。日本で24歳初の試合なので、頑張りたい」と渋野。最終日に“宮崎の歓喜”を迎える。(宮崎 尚行)
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