【シドニーＡＦＰ時事】地域機構「太平洋諸島フォーラム（ＰＩＦ）」のプナ事務局長は２９日、フィジーを訪問中の中国の王毅国務委員兼外相と会談し「気候変動対策への中国の協力を歓迎する」と強い期待を伝えた。海面上昇で水没の危機にさらされるＰＩＦ加盟国は少なくない中で、プナ氏は「緊急かつ野心的な対策」を求めたという。
中国外務省によると、２６日のソロモン諸島を皮切りに太平洋諸国の歴訪を続けている王氏は「平和と友好、協力の旅を行っている」とプナ氏に説明した。サモアからフィジー入りし、３１日まではフィジーに滞在、第２回中国・太平洋島国外相会合に臨む。 プナ氏は、新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）によって大打撃を受けた地域経済の回復策についても王氏と協議した。今回の歴訪に対しては南太平洋への中国の野心を警戒する見方も欧米やオーストラリアで強いが、王氏は「もっと３国間協力を進めたいと中国は考えている。特に太平洋地域に伝統的な影響力を持つ国々とだ」と述べ、懸念の払拭（ふっしょく）に努める姿勢を示した。
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