首脳陣が即決だ。日本ハムのドラフト1位河野竜生投手(21=JFE西日本)が、満点デビューで1軍行きの切符を手にした。15日、キャンプ恒例の1、2軍合同の紅白戦(国頭)で、白組の先発として登板。紅組の3番クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(28=巨人)をこの日最速149キロの直球で見逃し三振に仕留めるなど、1回を2奪三振を含む3者凡退と圧巻の投球で、週明けの1軍合流を決めた。貫禄漂うマウンドだった。社会人NO・1左腕が、プロ初実戦で、その実力をいかんなく発揮した。白組で先発した日本ハムのドラフト1位河野が、1回をパーフェクト。栗山監督をはじめ、1、2軍の首脳陣が目を光らせる中、2奪三振を含む完全投球で、目標の開幕1軍入りに向けて最初の関門を楽々と突破した。
圧巻の11球だった。先頭のドラフト7位片岡奨人外野手(22=東日本国際大)を3球三振に仕留めると、続く2番石井を遊ゴロ、昨年のプレミア12でメキシコ代表の4番を務めたビヤヌエバ(巨人)は、フルカウントから最後は149キロの直球で、見逃し三振に斬った。クロスファイアは「生命線。そこへしっかりと投げられて、有利なカウントに持って行けた」。変化球は、2球だけ。直球主体に勝負を挑んだ。 緊張とは無縁の男だ。ふてぶてしいまでの落ち着きは、舞台が大きくなるほど輝く。プロ初実戦を控えた前夜は、もちろん熟睡。キャンプイン後は、同部屋の吉田輝に「おはよう~」と起こされるのが日課になっている。整った顔立ちの“二枚目”だが、投手陣の練習で課される罰ゲームもなんのその。恥ずかしがる選手が多い中「一発芸、やります!」と、堂々“三枚目”を演じきり、島崎2軍投手コーチを「度胸がある。だから、ここぞの場面でいい球を投げられる」と、うならせた。
文句なしの内容に、栗山監督は「さすが、修羅場をくぐっている。(ドラフト1位の)評価通り」と、試合後、1軍キャンプへの合流を即決した。首脳陣からは期待の声があふれる。週明けの17日から、沖縄・名護の1軍練習に加わり、次回登板に備える見通し。左のエースとなるべく、背番号28が鮮烈な一歩を踏み出した。【中島宙恵】日本ハム木田投手コーチ(河野に)「しっかり腕を振って強い球を投げていた。良かったと思う」
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