今年は10月11日に運命のドラフト会議が行われる。悲喜こもごも…数々のドラマを生んできた同会議だが、過去の名場面を「ドラフト回顧録」と題し、当時のドラフト翌日付の紙面から振り返る。横浜高・松坂大輔投手(18)が西武入りを拒否し、3年後のドラフトを待つことを宣言した。ドラフト(新人選択)会議が20日、都内のホテルで開かれ、同投手は横浜、西武、日本ハムの3球団から1位指名を受け、抽選の結果、希望の横浜ではなく西武が交渉権を獲得した。しかし松坂は「3年間は長く感じない」と社会人入りすることを表明。日本石油入りし、3年後、2001年のドラフトでは幼いころからのあこがれである巨人を逆指名する可能性が高い。午前10時58分。西武東尾監督が交渉権を引き当てた瞬間、テレビモニターを見つめていた松坂は何ともいえない複雑な笑みを浮かべた。記者会見場となった横浜高体育館の外で生徒が発した「マジ~」という声が中まで響く。「(クジが)外れたなという感じ。甘くなかったですね」。西武の交渉権獲得に、18歳の怪物は苦笑いを浮かべるしか方法がなかった。
会見終了後、3時限目の音楽の授業中に教室に戻った松坂は、チームメートに「3年後に逆指名する」と宣言したという。しかし、それは横浜とは限らない。本来が大の巨人ファン。今年は巨人が大体大・上原と近大・二岡獲得を決めたために巨人をやむを得ずあきらめたという思いがある。前日の会見では「(3年後は)そのときになってみないと分からない」と正直に話した。先日、「ドラフトは自分の運を試すいい機会」と言った。シドニーオリンピック(五輪)という明確な目標も口にした。3年前に近鉄入りを拒否し今ドラフトで中日を逆指名した日本生命・福留を例に挙げて「3年間は長いのではないか」と言われると「オリンピックがあるので長く感じないと思う」と反論した。ドラフトを自宅のテレビで見ていた父諭さん(45)も「もう方針は決めてあります。西武に行くことはないと思う」と話した。
○…期待の一番星を直前で奪われた。権藤監督が封筒の中の紙を開く直前に、右隣の東尾監督の腕が上がった。「絶対に当てる。それしか考えていなかった。残念です」。シーズン中は常に冷静さを失わなかった表情はこわばっていた。インタビューの最後に「今すぐプロに行ってほしいか、3年後に逆指名してほしいか」と問われると、権藤監督は「今はそんなこと言える心境じゃない!」。それでも「終わったことは仕方ない」と、指名が終わると外れ1位に指名した豊田大谷・古木のもとへあいさつに向かった。
ここから西武に入団して、色々な名場面が生まれたの、すごい
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