パズドラ「激戦スマホゲーム市場」で生き残れるか ブームから約10年、ガンホーの創業社長を直撃

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2010年代前半にエンタメ市場を席巻したゲーム会社は、再成長への道を見出せるか。

スマホゲーム市場を代表するタイトルであるパズドラ(©GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.)

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新規タイトルは数年で消え、長期タイトルの売上高も減少しつつあるスマホゲーム。競争激化で市場に飽和感が漂う中、何とか持ちこたえているのがガンホー・オンライン・エンターテイメントの人気モバイルゲーム『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』だ。2022年2月で運営開始から10年を超えたが、ここ数年はアクティブユーザー数が下げ止まっている。
足元ではストリーミング配信によって、高品質な家庭用ゲームをスマホでも遊べるようになっており、スマホゲームとの境界線が薄まりつつある。また、メタバースという概念の登場によって、ゲームの可能性は「遊び」を超えて広がりそうだ。
大きく変化する市場において、既存のスマホゲームの立ち位置はどうなっていくのか。ガンホーの森下一喜社長を直撃した。

10年、20年続くように設計

――パズドラは2015年ごろからユーザー数が下降線をたどっていましたが、ここ数年は堅調です。何が下支えしているのでしょうか。

「ゲームを作り、出したら終わり」とは考えていなくて、設計段階からとにかく長く遊べることを念頭に置いている。パズドラも10年、20年続くように考えていた。もちろん細かいアップデートは随時していくが、そういう設計の思想で作っていかないと、自分たちも息切れしてしまう。

長く楽しんでもらえるようなネタは豊富にもっている。例えば、パズルの消し方とか、プレーヤーの進行速度に応じて要素を追加していくというのを前もってアイデアとして持っている。

これがもし長期的なゲームの設計がなかったら、すべてを出し切って終わってしまう。ただ実践することが一番難しい。パズドラ10周年が目立っているが、(オンラインRPGの)『ラグナロクオンライン』は20周年。長年続けていける経験・ノウハウを持っているし、運用体力があると思う。

――最近は家庭用ゲーム顔負けの開発費をかけたスマホゲームも登場しています。

ゲームの(流行の)サイクルは何回も繰り返されている。1人でも遊べるカジュアルなゲームが流行りつつも、今度はがっつり遊べるゲームが流行って、その後またカジュアルなゲーム、と。そう考えると、必ずしも今後こういった(カジュアルな)ゲームが出てこないかといえば、そうじゃないと思う。

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