* * * * * * * ◆向うを殺すか、自分が死ぬか 「まったくどん底に落ちて、はじめて幸せというものがわかります。わたしは五十を過ぎるまで、袂の揃った着物が着られまへんでした。いまはぴったりそろって全部こしらえられる、仕事がこしらえてくれるのです。幸せなことです」 『婦人公論』昭和36(1961)年8月号に掲載された座談会「上方おんな愛憎廻り舞台」には、浪花千栄子(当時54歳)の上記のような肉声が残されている。座談会のお相手は、森光子(41歳)、劇作家・菊田一夫(53歳)。
20年連れ添った夫・2代目渋谷天外が若手女優と不倫をしたうえ、子どもができた。夫の裏切りを知ったとき、「自分が死んで化けて出るのはくやしいので、どうせ死ぬなら殺してやろう」と思ったという。 「ある女優さんが映画でスパッとたたかれて、たいへんきれいな顔して泣きはったのを見た時、ほんとにあんなきれいに泣けるものかしら、あんなに悲しい場面にと、それひとつ非常にわたくしの印象に残っていました。そうして、わたくしが、もう向うを殺すか、自分が死ぬかという絶頂の悲しみのときに、泣いて泣いて泣き明かして、いったいわたくしはどんな顔して泣いているのか、鏡を見にゆきました。この悲しみがちょうどあのときの場面と同じや思って…。そうしたら目がはれあがっている、鼻は真っ赤になっている、見られないひどい顔しておりました。(笑)映画のあれはうその顔や」(同上)
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