アメリカ大統領選挙2020

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最大のマイノリティー ヒスパニック票を引き裂く「壁」:朝日新聞デジタル

最大のマイノリティー ヒスパニック票を引き裂く「壁」

2020/10/29 2:08:00

最大のマイノリティー ヒスパニック票を引き裂く「壁」

■分極社会 「メキシコとの国境に壁を築く」と訴え、トランプ米大統領が当選してから4年。そのトランプ氏が再選を目指す11月3日の米大統領選では、ヒスパニック(スペイン語圏出身)の有権者の存在感が、かつて…

[PR]「メキシコとの国境に壁を築く」と訴え、トランプ米大統領が当選してから4年。そのトランプ氏が再選を目指す11月3日の米大統領選では、ヒスパニック(スペイン語圏出身)の有権者の存在感が、かつてないほど高まっている。(テキサス州エルパソ=藤原学思、サンパウロ=岡田玄)高さ9・1メートルの国境の壁の合間を、ミキサー車が次々と抜けていく。口元を覆った作業員2人が、運ばれたコンクリートで壁の下部をふさぐ。新型コロナウイルスの感染者が増える中でも、建設は止まらない。メキシコとの国境沿いに位置する米テキサス州エルパソでは、トランプ大統領が建設を約束した「壁」がこれまでにないほど、頑強になっている。

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国境の「壁」からメキシコ側を見つめる税関・国境警備局の職員。旧式の金網フェンス(左)の多くが、2倍ほどの高さの鉄格子に取って代わられた=2020年10月20日、米テキサス州エルパソ、藤原学思撮影「新しい壁になって、仕事がぐっと楽になった」。10月20日、不法移民を取り締まる米税関・国境警備局(CBP)の若い男性職員は笑った。国境には以前から5・5メートルの金網があったが、破られて越境するケースが相次いでいたという。男性のルーツはメキシコにあり、自宅ではスペイン語を話す。2012年の大統領選では「マイノリティーのためになってくれるはずだ」と期待し、民主党のオバマ前大統領に投票した。「だが、甘い言葉を口にする単なるナイスガイだった」と感じた。16年は、「正直で、冷徹で、無遠慮」なトランプ氏に託した。今年も一票を入れるつもりだ。

「彼はメキシコ人を強姦(ごうかん)魔と言った。言い過ぎかもしれない。でも実際、私たちが相手にしているのは、薬物の取引や人身売買をしたいメキシコ人たちだ」同じ壁を目にするたびに、フェルナンド・ガルシアさん(50)はため息が出る。「トランプ氏にとっては実績だろうが、我々には、ヘイトの象徴でしかない」98年から、エルパソでNPO「人権のための国境ネットワーク」を率いる。CBPの活動を監視し、壁の建設中止を求めて訴訟も起こした。米国とメキシコの間に建てられた、高さ9・1メートルの壁を、コンクリートで補強する作業員。壁の手前には水路があり、フェンスも設置されている=2020年10月20日、米テキサス州エルパソ、藤原学思撮影

エルパソは、国境を挟んだメキシコ側の街、シウダフアレスと一体で発展してきた。毎日、メキシコから米国に越境して通勤する人も多い。だが、不法入国ばかりが強調され、壁が築かれてきた。ガルシアさんも、不法入国には賛同しない。ただ、「米国は労働力として不法入国者を必要とし、酷使してきた。そのシステムこそ問題だ」と指摘する。エルパソは全米で「最も安全な街の一つ」とされるが、昨年8月には白人の男が大型小売店でヒスパニックを標的に銃を乱射し、22人が亡くなる事件が起きた。直前には、白人至上主義を訴える投稿がインターネットにあり、警察は容疑者が書いたとみている。

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