アルジャジーラ記者、イスラエル治安部隊の取材中に射殺 ヨルダン川西岸
カタールを拠点とする衛星放送局アルジャジーラのジャーナリスト、シェリーン・アブ・アクレ氏(51)が11日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のジェニンでイスラエル治安部隊による作戦を取材中、銃撃を受け死亡した。
アルジャジーラは、アブ・アクレ氏がイスラエル部隊によって「故意」かつ「冷酷に」撃たれたとした。別の記者も銃撃され負傷したという。
イスラエル軍は、ジャーナリストを標的にはしていなかったと主張。記者らが「パレスチナ側の武装集団」に撃たれた可能性について調べているとした。
イスラエルのヤイル・ラピド外相は、アブ・アクレ氏の死について「痛ましい」とし、パレスチナ自治政府と共同で調査を実施することを申し出たと述べた。
また、「紛争地でジャーナリストは保護されなければならない。私たちは全員、真実を解明する責任がある」と付け加えた。
カタールのロルワ・アルカテル外務次官によると、アブ・アクレ氏は記者用ベストとヘルメットを着用した状態で「顔面を」撃たれたという。
パレスチナ保健省も、アブ・アクレ氏の死亡を確認。銃撃された後に、危篤状態で病院に救急搬送されたと明らかにした。
パレスチナ紛争を長年取材
アブ・アクレ氏は、アルジャジーラのアラビア語ニュースの著名ジャーナリストで、15年にわたってイスラエル・パレスチナ紛争を取材していた。
アルジャジーラのジャーナリスト、ニダ・イブラヒム氏は、アブ・アクレ氏について、「非常に尊敬されているジャーナリスト」だったとした。
「彼女と共に仕事をしてきたジャーナリストにとってはショックだ」
ここ数週間、イスラエルではアラブ人とパレスチナ人による襲撃が相次いでおり、イスラエル人17人とウクライナ人2人が死亡した。
一方、パレスチナ人の死者は少なくとも26人に上っている。その中には、攻撃の最中に射殺された襲撃者や、ヨルダン川西岸におけるイスラエルによる襲撃や衝突で死亡した武装勢力や民間人も含まれている。
イスラエル治安部隊は、ジェニン地区を中心に作戦を実施している。最近イスラエルであった攻撃に参加したパレスチナ人のうち、4人が同地区の出身とされる。