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「女子選手とサッカーをやる機会は初めてに近い」香川真司、女子小・中学生選手と真剣勝負!

■湧き上がった歓声

 体育座りをし、目を閉じる少女たち。「はい、目を開けて!」との声で顔を上げると、大きな歓声が沸き起こった。そこにいたのは香川真司。いきなり目の前に現れたスター選手に少女たちの目が輝いた。

以下に続く

 4月24日、千葉県幕張にある「高円宮記念夢フィールド」に集まったのは、約35人のサッカー少女たち。JFAとアディダスが進める女子サッカー推進プロジェクトHER TEAMの活動により発足した女子サッカーチーム、上田FCフィリア(長野県)、鴻巣FC(埼玉県)、ボラミーゴ新潟(新潟県)の小・中学生選手たちだ。

 5対5のミニゲームがスタートする。攻撃側に香川が入り、鋭い足技やドリブルを披露すると、機を見て前線にパス。攻撃陣優位かと思いきや、守備に回った選手は果敢に香川からボールを奪いにいく。奪われた香川も逆に奪い返す。沸き起こる声援、拍手。全員が真剣に、楽しくサッカーに集中する。何度かのセットを終え、ミニゲームは約1時間で終了した。

「女子選手とサッカーをやる機会は初めてに近い」と語った香川が参加したのは、カタール・ワールドカップ公式球アル・リフラのアクティベーション。アラビア語で「旅」を意味するアル・リフラは現在、実際に「旅」の途上にある。

 ドバイから日本に到着したアル・リフラは、サッカーに関わる著名人と東京都内数カ所を回ると、最後に夢フィールドに到着した。香川いわく「華やかなボール」である多彩なカラーは、多様性に富んだ国や人のアイデンティティを表しているという。アンカーを努めたHER TEAMの女子選手の中に、プロ男子選手が入って一つのボールを蹴ったこの日。香川がサインしたスーツケースに収められたアル・リフラは、次なる地へと旅立った。

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■女子も男子に負けていない

 アクティベーション後、香川は改めて彼女たちとのプレーを振り返った。

「(女子も)技術の高さや基礎を含めて男の子に負けていないですね。繊細なタッチであったり、そういうところは非常に上手だな、と率直に感じました」

 今回参加したのは、小・中学生の選手たち。香川が登場した瞬間、大きな歓声が上がったが、それを聞いて自身は「ホッとした」という。「喜んでくれて良かったです。(自分を)知ってくれている子がいるんだって分かって(笑)」。謙遜する香川だが、選手たちが大喜びだったのは間違いない。

 上田FCフィリアの小学5年生・斎藤百々さんと中学2年生・中武ひなたさんに話を聞いた。「うまかった」「本当に楽しかった」。二人とも兄弟の影響(中武さんのお兄さんは松本山雅サポーター)で、家の前でボールを蹴るなどするなかで、サッカーの面白さにハマっていったという。女子中学生が真剣にサッカーをやろうとした時に、上田市にはプレーする場所がなかった。しかし今は2022年にできたばかりの上田FCフィリアがある。二人は「サッカーが大好き」「サッカーが面白くて面白くて仕方ない」という気持ちで練習をしていると語る。

 彼女たちにとって、そんなサッカーの楽しさ、面白さを倍増させたこの日の香川とのプレー。アル・リフラの旅の途中に遭遇した35人の選手たちが、これからもサッカーを続けていくなかで、この日の経験はきっとかけがえのないものになるに違いない。

 アル・リフラの旅・東京の全行程は1本のフィルムに収められ、公開された。

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