ゴルフ場をつくったのは、イギリス人貿易商アーサー・ヘスケス・グルームでした。彼は、当時まだ手つかずの自然が残っていた六甲山に魅了され、山荘を建ててそこでよく仲間と集まっていました。ある時、仲間と故国の話に花を咲かせていたところ、ゴルフの話になり、ゴルフの経験がなかったグルームが「ここにコースをつくろう」と言い出したそうです。当初は仲間うちでプレーするだけでしたが、やがて噂が広まり来場者も増加。ホールの増設にも着手し、1904年には全長3576ヤード18ホールのコースが完成しました。この「神戸ゴルフ倶楽部」はいまも屈指の名門ゴルフ場として残っています。
その後、神戸の横屋や横浜の根岸にゴルフコースがつくられますが、いずれも現在はありません。現存のゴルフ場で2番目に古いのは1913年に開場した長崎県の「雲仙ゴルフ場」です。これらは、どちらかというと在留の外国人向けにつくられており、日本人は遠慮がちにプレーしていたといいます。 そのような状況のなか、日本銀行ニューヨーク代理店監査役として米国へ渡って現地でゴルフのとりことなった井上準之助(のちの大蔵大臣)が、日本人による日本人のためのゴルフ倶楽部創設に動きます。そして1914年、東京の駒沢(その後移転)に「東京ゴルフ倶楽部」が開場しました。 その後、ゴルフ人口の増加とともにゴルフ場も増え続け、ピークを迎えたのは全国で2460場を数えた2002年。その後は減少を続け、2020年には2216場となっています(日本ゴルフ場経営者協会調べ)。最近では、定額でいくつかのコースをラウンドできるサブスクリプションサービスも始まるなど、ゴルフ場にも新たな展開が生まれています。
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