高校野球福岡大会の決勝が27日、久留米市野球場で行われ、西日本短大付が11年ぶり6度目となる夏の甲子園出場を決めた。プロ注目の最速144キロ右腕、大嶋柊(しゅう)投手(3年)が3安打完封。打線はともにプロ注目の4番・三宅海斗捕手(3年)が決勝打、3番・林直樹内野手(3年)も貴重な追加点を呼び、勝利に貢献した。
三振を奪ってもガッツポーズ1つしなかった大嶋が、グラブを激しくたたいた。最後の打者から空振り三振を奪うと、女房役の三宅と抱きつき、ナインにもみくちゃにされた。わずか3安打で完封。「序盤は(疲れが)あったんですけど、後半は気持ちで投げました。ただ一生懸命腕を振っていました」。11年ぶり6度目の夏制覇に、寡黙なエースを少しだけ笑った。 準決勝の飯塚戦(25日)で176球の熱投を見せていた。疲労はあったが、投手戦を覚悟していた。真颯館の先発は左腕の松本翔投手(3年)。「いいピッチャー。絶対、先に点をやってはいけない」。プロ注目の好投手対決に、3年間ほとんど使ったことのないチェンジアップを解禁した。「バッターは目が慣れてくるので、目を慣れさせないために投げました。今日は気持ち的にも余裕があったので」。
この日自己最速を更新した144キロの直球と緩急をつけ、的を絞らせなかった。西村慎太郎監督(49)は「初めて見るようなボール。『あれなんだろう?』と思って見てました。あんなの見たことないよ」と仰天。味方の指揮官をも困惑させる“秘密兵器”で、完封劇を演出した。 準々決勝の戸畑戦(23日)では1-0で大嶋が完封。唯一の得点も大嶋のバットから生まれた。野手陣は「あまりにふがいない」と、自分たちを責めた。「大嶋を助けなきゃ」。この日の試合中にナインで相手投手の松本を分析。狙い球、コース、配球。意識を統一させ、4番三宅が決勝打を含む3安打2打点、3番林直は3回に左翼越え二塁打で追加点を呼んだ。西村監督は「ベンチでの会話が今まで以上に多かった。この子たちはいつも以上に研究したんだろうなと思って見てました」と感心した。Sponsored
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