残り2枠となった開幕ローテーションを薮田、遠藤との3人で争う中、快投でアピールに成功。佐々岡監督から当確ランプはともされなかったが、一定の評価を得た。開幕まで3週間を切る中、2年連続の開幕ローテ入りをグイッと引き寄せた。九里が投じたラスト1球、144キロ内角直球にサンズのバットが空を切った。十分な仕事をした右腕はナインにエアハイタッチで迎えられた。4回1安打無失点。最速148キロの直球を軸に、内角を強気にえぐって阪神打線を手玉に取った。毎回の4三振も奪って「今までに比べたら良い投球ができた。真っすぐの腕の振りで、変化球もしっかり投げることができた」と手応えを口にした。
ピンチもゼロで切り抜けた。2回先頭のボーアに右越え打を許し、福留には内角への際どいボールで四球となった。1死一、二塁から原口に三遊間へ痛烈な打球を放たれるも、メヒアの好守に助けられ、続く木浪は遊ゴロを打たせて難を逃れた。勢いそのままに3、4回は上位打線を寄せ付けず、ともに打者3人斬りでマウンドを降りた。 開幕ローテ入りをほぼ手中に収めた。現状の先発枠は大瀬良とK・ジョンソン、床田、ルーキー森下まで内定。薮田、遠藤と残り2枠を争っている中、大きなアピールとなった。佐々岡監督は「（試合前の）ブルペンからいい報告があった。結果的に対打者にもいいものが出ていた」と評価。開幕ローテ入りについて「当確はね…」と明言は避けたが「この内容を続けてくれたら」とうなずいた。
トレーニングの成果が表れた。オリックス山本が練習に取り入れていることをきっかけに、春季キャンプから練習にやり投げを導入。下半身から連動した体の使い方をしみ込ませた。さらにチームでただ1人低酸素マスクを装着してのダッシュなどで身体を追い込み、心肺機能をアップ。向上心とともに状態を上げ「しっかりトレーニングを継続して、少ない練習日数で工夫できた」と胸を張った。
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