スタイルを生む、ハイブランドの提案 2022年春夏 Vol.2 ジョルジオ アルマーニ

  • 構成・文:高橋一史

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ファッションシーンを創造する世界のトップブランドが、2022年春夏シーズンに提案する最新スタイルとは? 各ブランドが発表したショーやルックから、日本展開されるアイテムを紹介しよう。いますぐオンライン購入できる服やグッズも併せてお届けする。

軽い素材でメゾンのクラシックをモダンに

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カーディガンのように軽快なジャケットと、裾がスリムなパンツを組ませたスーツ。インナーはノータイの白シャツで、第一ボタンを留めてドレッシーな着こなしに。

ショーを発表した会場はデザイナーのジョルジオ・アルマーニが最初にアトリエを構えたボルゴヌオーヴォ21番地。これに象徴されるように、原点回帰の姿勢を打ち出した今季。リラックスしたテーラリングの先駆者であり1975年から活動するファッションデザインの“帝王”の目線はいま、揺るぎないブランドの確立にあるようだ。世界中がロックダウンして生活スタイルが変化、人々のファッションマインドが流行を追うことから自身の内面世界の探求へとシフトしているが、アルマーニの動きはこの時代感覚とリンクしている。

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“ザ・アルマーニ”と呼べるサンドベージュの色で全身を揃えたリゾートスタイル。マットとシャイニーの絶妙なコントラストもスタイリッシュ。

スタイルを再確認する一方で、アルマーニはニューノーマルで服装のカジュアル化が加速した世相もデザインに投影させた。夜のドレスアップではタキシードの代わりにシャツ+パンツのスポーティな着こなしを披露。いまを生きる人々に何が必要なのかが示されている。日常のカジュアルな服でも、着たときに品位が損なわれないように丈やシルエットなどが入念に調整されている。一見するとノンシャランで無造作に見える落とし込みの妙が、ベテランデザイナーの底力だ。

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今季コレクションのアクセントとなるレッドのカットソーを着たルック。ボトムとシューズを黒でまとめ、強い色を際立たせたコーディネート。

コレクション全体の色彩はネイビーやサンドベージュといったアルマーニらしいニュートラルな基本色が中心で、レッドやグリーンらの強い色がアクセント。全身をナチュラルにまとめるのも、今季注目されるカラフルな色でフレッシュな気分になるのも着る人の自由。トレンド不在の時代になったからこそ、アルマーニの人に寄り添うデザインがものを言う。

Giorgio Armani Men's SS 22 Fashion Show - Video

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いますぐネットで買える、グラフィカルな2着

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裏地なしの軽やかな、モッズコート風ロングコート。メタリックファイバー仕上げのスポーティ素材が大きな特徴。¥473,000(税込)
www.armani.com/ja-jp/_cod36856120585189787.html

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着ると白ラインの洒落た効果が明確に表れる。冬は厚手ニットをインナーに、春はTシャツ一枚で着よう。
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グローブに使われる高品質のラム革を使った柔らかなブルゾン。袖にはキルティング加工が施されている。¥594,000(税込)
www.armani.com/ja-jp/_cod36856120585610860.html

時代感を打ち出したショールックばかりがジョルジオ アルマーニではない。いまの時期に公式サイトで展開されているシーズンレスのアイテムには、スポーツウエア感覚に満ちた都会的なデザインがある。ここに掲載した2着は、白ラインを効果的に使ったグラフィカルなアウター。テック素材のフードつきロングコートと、ナッパレザーのブルゾンはともに、春まで活躍する着回し自在な服。長く愛用すべきタイムレスなワードローブだ。

ジョルジオ アルマーニ 公式サイト

www.armani.com/ja-jp/