本作は、潰れかけの映画館“銀平スカラ座”を舞台にした群像悲喜劇。かつて青春時代を過ごした街・銀平町に帰ってきた一文無しの青年・近藤は、ひょんなことから映画好きのホームレスの佐藤と、商店街の一角にある映画館・銀平スカラ座の支配人・梶原と出会い、バイトを始める。同僚のスタッフ、老練な映写技師、売れない役者やミュージシャンに映画を夢見る中学生まで、個性豊かな常連客との出会いを経て、近藤はかつての自分と向き合い始める。
監督は、2022年に『愛なのに』『女子高生に殺されたい』『ビリーバーズ』『夜、鳥たちが啼く』などの話題作が立て続けに公開されている城定秀夫。脚本は、監督作『れいこいるか』が映画芸術2021年度ベストテン第1位に輝き、2022年も『神田川のふたり』ほか4作品が一挙に劇場公開されたいまおかしんじ。その映画界屈指の作り手・城定といまおかが初タッグで群像悲喜劇を描く。 今回は埼玉県にある現役ミニシアター・川越スカラ座をロケセットに撮影が敢行された。年齢も境遇も違う、多種多様な人間たちを受容する映画館という場所で、ひとときの高揚とそこはかとない物悲しさに満ちた人間模様がジンワリと胸を打つ。
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