これはアップルが米特許商標庁(USPTO)に申請した「ヘッドフォンを使ったユーザー識別(USER IDENTIFICATION USING HEADPHONES)」と題された特許です。2020年8月に申請書が提出され、今年(2022年)1月27日に公開されたものです。
なぜ、AirPodsのようなワイヤレスヘッドホンにも生体認証が必要とされるのか。特許出願によれば、これらはデバイスに接続した状態で(本来の持ち主以外の)誰でも装着でき、個人情報にアクセスしたり、Siriに命令できるためです。 またヘッドホンを通じて「さまざまなアウトプット」が提供されるリスクも説明されています。例えば、インスタントメッセージなどを受信したとき、それを(デバイス本体がロックされている時も)そのメッセージが読み上げられて装着している人に聞こえることなど。 しかし従来のシステムでは、ヘッドホンを装着しているユーザーが、デバイスの個人情報と関わる機能と対話を許可されているかどうかは確認していません。したがって「ヘッドホンを使うユーザー識別のために改良されたシステム」が望まれているというわけです。
その方法の1つは、一種のソナーとして超音波信号を使い、ユーザーの外耳道(外側で音波を集める耳介から鼓膜までの部分)の形状を検出すること。すなわち超音波信号を外耳道の表面で反射させて、ユーザーに関連付けられた“署名”を持つエコーを生成できるかもしれない、と述べられています。もう1つの可能性が、「歩き方」の情報です。すなわち歩数やペースおよび歩幅など、ユーザーの歩き方や走り方に関する情報を取得して、登録済みの歩行情報と比較してもいいと説明されています。、落としたり置き忘れたユーザーは、見つけてくれた人に電話番号やメールアドレスを記したメッセージを共有できます。その一方でiPhoneのようにアクティベーションロックを掛けて他人が使えなくする(他のデバイスとペアリング不可にする)ことはできませんが、生体認証のしくみが実装されれば、将来的には可能となるのかもしれません。
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