トヨタ21年度世界生産、前年度超えも目標900万台割れへ
トヨタ自動車は18日、2022年3月期(21年度)の世界生産台数が計画していた900万台を下回る見通しだと発表した。半導体の需要が高まり、需給が逼迫しているためだ。2月の生産計画を15万台程度引き下げ70万台規模とすることも明らかにし、3月の生産増では計画の達成が困難になったようだ。21年3月期(818万台)実績を超える可能性は高いが、21年秋以降の減産影響を補い切れなかった。
自動車に加えて、スマートフォンや家電向けで世界的に半導体の需要が高まっている影響を受けた。トヨタは「他から調達する半導体などへの代替についてもさらなる検討を進める」としている。このほか東南アジアで組み電線(ワイヤハーネス)の調達が滞ったようだ。
2月の生産は70万台規模と、21年末までにサプライヤーに通知した従来計画(90万台規模)に2割届かない水準となる。コロナの影響が深刻だった21年は66万台、20年は62万台だった。トヨタは21年9月に22年3月期の生産計画を930万台から900万台に下方修正していた。900万台の達成には3月に100万台超と単月では過去最大の生産が必要で実現は厳しくなった。
トヨタは2月、国内全14工場28ラインのうち、田原工場(愛知県田原市)など8工場11ラインで一時稼働を停止する。高級車「レクサス」やカローラといった車種が影響を受ける。部品不足が深刻だった21年9~10月、トヨタの世界生産は計画に比べ3~4割少なかった。21年11月はほぼ計画通りの82万台にまで回復していた。
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