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【北京=小川直樹】中国国家統計局が17日発表した2021年10~12月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前年同期比4・0%増だった。7~9月期(4・9%増)を下回り、3四半期連続で減速した。新型コロナの市中感染ゼロを目指す「ゼロコロナ」政策がブレーキとなった。21年通年は、コロナ禍が直撃した前年の反動で前年比8・1%増と大きく伸びた。
21年10~12月期の成長率は、3・6%前後を見込んでいた市場予想を上回ったが、中国人民銀行(中央銀行)が5・7%と試算する21年の潜在成長率を下回った。足元の景気の動きを反映しやすい前期(21年7~9月期)比では1・6%増だった。
中国では21年10月中旬から内モンゴル自治区などで感染が再拡大し、12月以降は陝西省西安市など3都市が都市封鎖に踏み切った。省をまたぐ移動も各地で制限され、飲食や観光などの消費が落ち込んだ。中国恒大集団の経営危機に伴う不動産不況も重しとなった。
21年の成長率は20年(2・2%増)から大きく拡大し、10年ぶりの高水準となった。政府が21年の目標としていた「6%以上」も上回った。ただ、前年が低水準だった反動の側面が大きく、中国経済の実力とは言い難い。
反動増が見込めない22年は成長率の低下が避けられない。世界銀行は5・1%になると予想している。