生き物

イルカのクリトリスは人間のように「セックスでの快楽」を得るために存在するという新説が登場


人間と同じように繁殖以外の目的で性行為を行うことで知られるイルカですが、メスのイルカにはクリトリスのような器官が存在し、それが性的な快楽を得るために機能している可能性が研究により示されました。

Evidence of a functional clitoris in dolphins: Current Biology
https://doi.org/10.1016/j.cub.2021.11.020


一般的なほ乳類全般に存在するクリトリスと呼ばれる器官は、排卵を促したり、性的興奮を高めたりする機能があると考えられています。ほ乳類の中でも人間やボノボのように非常に社会的な生き物として知られるイルカは繁殖目的以外にも社会的な絆を築くことを目的として性行為を行うことが分かっており、ペニスやクリトリスなどを仲間同士でこすり合う行動も確認されています。


マウント・ホリヨーク大学のパトリシア・ブレナン氏らは、イルカのクリトリスがどのような機能を持っているのか、自然死した11頭のメスイルカを解剖することで導き出そうとしました。ブレナン氏らがクリトリス周辺の組織を調べたところ、そこには血管や神経線維、血液が充満することで勃起する組織などが密集していることが明らかになりました。

中でもクリトリスの神経は直径が0.5mmを超える非常に大きいものもあり、これら神経を覆う皮膚はほかの部位よりも薄く、刺激を受けやすくなっているとのこと。また、イルカは成体になるにつれ勃起組織の形が変化し、性的成熟に応じた機能を獲得することも示されました。


ブレナン氏は「イルカと人間では骨盤の形が大きく異なっているにもかかわらず、クリトリスの形が人間のものと驚くほど似ています。イルカのクリトリスも人間のものと同じように機能している可能性が高いと思われます」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「イルカが性的にアピールしてくる」という理由でビーチが水泳禁止に - GIGAZINE

イルカの目には、人間はどのように映っているのか? - GIGAZINE

魚やその他の海洋動物が溺れることはあるのか? - GIGAZINE

世界で初めて「クリトリスへの刺激」に対応する脳領域がマッピングされる - GIGAZINE

in サイエンス,   生き物,   Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article here.