ワタミ、すし業態に参入 居酒屋を転換へ
ワタミは8日、すし業態に参入すると発表した。1号店を9日、JR錦糸町駅(東京・墨田)前にオープンする。新型コロナウイルス感染への警戒感が根強く残り、居酒屋需要の回復に時間がかかるなか、居酒屋からの業態転換の柱の1つにすし業態を位置づける。2024年3月期までに直営中心に30店舗を展開する計画だ。
同日、記者会見を開いた渡辺美樹会長兼社長は「飲食需要は食べたいものを明確に見定める『目的来店』の傾向が強まっている。すし業態と焼き肉業態の両輪でそれをつかみにいく」と話した。客単価は一般的な回転ずしより1000円高い2500円程度を想定し、住宅街が広がる駅前を中心に出店を進め、ファミリー需要を取り込む。
ブランド名は「すしの和」。直営中心に30店を出店しノウハウを蓄積して以後、フランチャイズチェーン(FC)展開も進めて5年間で100店舗の出店をめざす。すしの和店舗を拠点にすしのデリバリー事業も始める計画だ。
ワタミの居酒屋業態の宴会予約はコロナ前の19年同月と比較して9~10月は9割減だったが、11月には7割減と回復の兆しが見えていた。しかし新たな変異型「オミクロン型」の感染者が国内でも確認されると「予約がストップした」(渡辺氏)。12月は足元で8割減で推移している。コロナ感染の動向が客数に大きく影響する居酒屋から、業績が比較的安定しているすし・焼き肉業態へと経営資源をシフトする考えだ。