ロシアがウクライナとの国境地帯に9万人超とされる大規模な軍部隊を集結させており、ウクライナ侵攻に踏み切るのではないかとの懸念が強まっている。米情報当局は、ロシアが来年早々にも、計17万5000人の勢力でウクライナに攻め込む計画だとみている。プーチン露政権は何を考えているのか。
ウクライナをめぐる状況は、2008年8月にロシアが親欧米のジョージア(グルジア)に侵攻した際をほうふつさせる。当時もロシア軍は、ジョージア周辺で大規模な演習を行い、情勢が緊迫していた。挑発行動が散発し、双方が非難の応酬を繰り広げていた。
ロシアは結局、ジョージアが同国内の親露分離派地域、南オセチア自治州を攻撃したのを受け、「ロシア国民の保護」を掲げてジョージアに侵攻した。南オセチア自治州の主要民族はオセット人だが、ロシアは長年、同自治州でパスポート(旅券)を配布し、露国籍を与えていた。