所信表明演説で分かる首相の成長戦略は?
ここが気になる
演説で首相は、再生可能エネルギーの拡大やEVの普及に欠かせない「送配電網のバージョンアップ」や「蓄電池の導入拡大などの投資」を掲げて、気候変動問題を「新市場を生む成長分野へと大きく転換する」としました。5Gや光ファイバーを活用した高速大容量の通信インフラを整備すると約束して、デジタル分野にも注力します。
日本を周回する海底ケーブルを3年ほどで完成させるとしました。歓迎の声がある一方で、日本は陸路のケーブルが中心で「増設がなくても現状で十分にカバーできている」と懐疑的な見方も多くあります。21年度の補正予算案で関連事業に投じられる予算は給付金などに比べて規模が小さく、底上げに向けた具体策が問われています。
首相が重視してきた分配政策では、介護や保育といった職場で働く人の給与を2022年2月から3%引き上げます。若者世代や子育て家庭の所得増も目指します。使った言葉を10月の演説と比べると、12回使った「分配」は半減、1回も使っていなかった「改革」は2回登場して、重視する政策の見せ方に変化がみえます。
2016年入社。科学技術などの取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。降雨を人工的に制御する研究が進んでいます。減災につながる期待がふくらむ一方で、大気の「水源」の奪い合いにならないかという不安も感じます。
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