10月末の衆院選の後、自民党の総裁候補の顔ぶれが様変わりした。党幹事長と派閥トップのいすを同時に手にした茂木敏充氏(66)が有力候補に躍り出た。11月10日に発足した第2次岸田文雄内閣で外相に起用された林芳正氏(60)も急浮上。高市早苗政調会長(60)や、再起を期す河野太郎広報本部長(58)を加えた4人の名前から一文字を取った「茂市芳郎」(もいち・よしろう)が、当面の「ポスト岸田」レースの軸になりそうだ。
小泉純一郎元首相の後継候補と目されたのは麻生太郎、谷垣禎一、福田康夫、安倍晋三各氏の4人。一文字ずつ取って「麻垣康三」(あさがき・こうぞう)と呼ばれた。それぞれ切磋琢磨(せっさたくま)し、全員が後に党総裁になり、谷垣氏以外の3人が首相の座を射止めた。
安倍政権下では「岸破義信」(きしば・よしのぶ)という造語が誕生した。現首相の岸田氏、石破茂元幹事長、菅義偉前首相、加藤勝信前官房長官を指す。この中からまず菅氏、続いて岸田氏が総理・総裁に就き、現在に至る。