バイデン氏、ウクライナ国境付近での軍事的活動に懸念表明へ 7日に米露オンライン首脳会談

バイデン米大統領(AP=共同)
バイデン米大統領(AP=共同)

【ワシントン=大内清】米ホワイトハウスは4日、バイデン大統領が7日にロシアのプーチン大統領とオンライン形式で会談すると発表した。両首脳による直接対話は、7月の電話会談以来。露軍が国境付近に部隊を展開し緊張が高まるウクライナ情勢のほか、米露間でどう戦略的安定性を確保するかや露ハッカー集団が米国へのサイバー攻撃を繰り返している問題などを協議する。

サキ米大統領報道官は4日、声明を出し、バイデン氏はプーチン氏に「ウクライナ国境付近でのロシアの軍事的活動に対する懸念と、ウクライナの主権と領土的一体性への支持」を改めて伝達すると強調した。

また、ロイター通信によると、オースティン米国防長官は同日、ウクライナが自国を防衛するのに必要な措置を講じるとの立場に変わりはないとした上で、ウクライナ情勢では「外交と指導者(同士による対話)が役割を果たせる余地は大きい」と語り、首脳会談による緊張緩和に期待感を示した。

露西部のウクライナ国境付近には9万人超の露軍部隊が集結しているとされ、米欧ではロシアによるウクライナ侵攻への懸念が強まっている。

ロシアは、ウクライナが将来的に北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指していることについて、ロシアの安全保障にとっての「レッドライン(越えてはならない一線)」だとして米国などを牽制(けんせい)。これに関してバイデン氏は3日、記者団に「どの国のレッドラインも受け入れない」と述べ、ウクライナのNATO加盟を認めるか否かは明言しない姿勢を示した。

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