08年北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストの格闘家・石井慧(34=チーム・クロコップ)が立ち技ルール2連勝を飾った。だが、RUI(30=チームbeginning)を相手にKOは逃し、3-0判定勝ち。リング上で次戦のマッチメークを懇願。立ち技の舞台におけるターゲット、ボクシングの元東洋太平洋ヘビー級王者藤本京太郎(34)実現に向け、必死の思いを見せた。

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石井は両手でしっかりガードを固め、サウスポーのべた足で前に出た。自分より13センチも背が高い194センチのRUIに、20・66キロ上回る体重差で圧をかける。前蹴りを顔面に、何度も左膝をボディーに食っても止まらない。左ローキックを織り交ぜ、豪腕の左フックで相手を追い込んだ。ただ、倒せなかった。

なぜ倒せないのか。左は何度か豪快にヒットしたように、相手はぐらついて見えた。「体重差があるのに倒せない。相手の気持ちを感じたというか。効いてるのかどうか、わからない。自分の何かが悪いんだと思う」と話した。相手のRUIは石井のパンチを「重かったというのはあります。ただ、効いたという感じはないです」と話した。

苦戦だった。「餅は餅屋ですね。いい膝でした。途中で気持ちが折れそうになりました。痛かった。腹筋していて良かった」。しゃべる途中でせき込んだ。RUIの膝の影響だ。その経験を糧にする。

試合後即次戦をアピールした。「ロード・トゥー京太郎選手に向けて淡々とやっていくだけです」。打撃の舞台だけでなく、MMA(総合格闘技)の舞台もある。打撃を磨き、目標実現に急ぐ。【加藤裕一】