「中国式民主」白書でアピール 米主催サミット牽制

中国政府は「中国の民主」と題した白書を発表した(ロイター)
中国政府は「中国の民主」と題した白書を発表した(ロイター)

【北京=三塚聖平】中国政府は4日、「中国の民主」と題した白書を発表した。米欧各国が中国の政治制度を批判していることに対し、「中国は、欧米のモデルをそっくりまねることなく、中国式民主主義を創造した」とアピールする内容だ。バイデン米政権が近く開く「民主主義サミット」を牽制(けんせい)する狙いがある。

同白書は2万字を上回るもので、人民代表大会制度など中国独自の政治制度について説明。この中で「民主主義は全人類共通の価値であり、中国共産党と中国人民が終始一貫して堅持している重要な理念だ」といった主張を展開している。

米欧による対中批判を強く意識し、「民主主義は各国人民の権利であり、少数の国の専売特許ではない」と強調。その上で「ある国が民主的であるかどうかは、その国の人民が判断すべきことであり、外部の少数の人々が勝手に批判したりして判断するものではない」と反発した。

バイデン政権は今月9、10日にオンライン形式で「民主主義サミット」を開催する。米国務省によると日本など約110の国・地域が招待されたが、権威主義体制をとる中国やロシアは招かれていない。

党中央宣伝部の徐麟(じょ・りん)副部長は4日の記者会見で、米国が主導する民主主義サミットについて「米国は自らを『民主主義の指導者』と誇っているが、実際には民主主義を隠れみのにして社会制度や発展モデルが異なる国々を抑圧し、封じ込めている」と非難した。

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