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放送事業者で外資規制違反が相次いだことを受け、総務省は、事業者に対し、外資の議決権比率の変更時に報告を法律で義務付ける方針を固めた。3日に開く有識者会議で再発防止に向けた報告書案を示し、来年の通常国会に放送法の改正案を提出する方針だ。
放送法や電波法では、事業者の外資比率が20%以上になれば、免許や認定を取り消すことを定めている。総務省は事業者に対し、これまで求めていなかった外資比率の定期報告も求める。比率が一定の割合を超えた場合に警告し、変動があった場合は、細かく報告を求める制度の導入を検討する。
罰則も見直す。従来は、違反した場合に認定や免許が即時取り消しとなるが、社会的な影響などを考慮し、やむを得ない場合は、取り消しの猶予を設ける。事業者に違反状況を是正するための期間を用意する。
このほか、市町村単位のエリアでFMラジオ放送を行う「コミュニティー放送」については、外資規制を一部緩和する。親会社を通じた「間接出資」も外資規制の対象となっていたが、直接出資のみを制限する方向に改める。
外資規制を巡っては、今年春に放送関連会社「東北新社」と、フジ・メディア・ホールディングスが過去に違反していたことが相次いで判明し、総務省のチェック体制の見直しが課題になっていた。
外資規制を巡る報告案のポイント
▽放送事業者による外資の議決権比率の報告を法律で義務化
▽外資規制違反による認定の取り消し処分に猶予期間を導入
▽「コミュニティー放送」の外資規制を一部緩和
▽総務省に外資規制をチェックする「審査官」を配置