ドイツ、ワクチン未接種者は入店禁止 2月にも接種義務
【ベルリン=石川潤】ドイツのメルケル首相は2日、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけるため、ワクチン未接種者の小売店や飲食店への入店を禁止するなど、行動を大幅に制限すると発表した。ワクチン接種の義務付けも、連邦議会での議論を経て2022年2月にも実施される見込みだ。メルケル氏は「感染の第4波を打ち砕かねばならない」と強調した。
メルケル首相と各州首相が合意した。8日にも次期首相に就任するショルツ財務相も、会議と記者会見に出席した。ドイツでは1日あたりの新規感染者数が7万人を突破。変異ウイルスのオミクロン型への感染も複数確認されている。1日あたりの死者数は400人前後にまで増え、医療システムの逼迫が深刻になっていた。
合意文書によると、ドイツ全土で、ワクチン接種者か新型コロナから回復した人しか、映画館や劇場、飲食店などを利用できなくなる。ワクチンを打てない人などは例外とする。
小売店についても、食料品店などを除き、ワクチン未接種者は利用できなくなる。入店時に店舗側が接種証明書などを確認する。さらに未接種者は私的な会合で集まれる人数を同一世帯プラス2人までに制限される。
ワクチン接種の義務付けは連邦議会の議決などを経て決定する。次期首相のショルツ氏らがすでに賛成の意向を示している。ドイツでは接種義務化へ慎重な意見が多かったが、感染が急速に広がる中で方針転換を余儀なくされた。
ドイツの対策は、感染拡大の原因とみられるワクチン未接種者を狙い撃ちしたものといえる。ドイツの接種率は70%未満で、接種率の低い東部や南部を中心に感染が広がっている。オミクロン型の登場で先行きの不透明感が強まるなか、行動を一段と厳しく制限することでワクチン接種を一気に進める狙いがある。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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