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【ロンドン=池田晋一】石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国による「OPECプラス」は2日、オンラインで閣僚級会合を開き、従来の生産計画を維持することで合意した。新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」の検出で見込まれる原油需要の低迷に備える。
OPECプラスは今年8月から毎月、原油需要の回復に合わせて日量40万バレルずつ産油量を増やしてきた。2日の会合では、1月も前月比で40万バレル増産し、OPECプラスで世界の原油需要の4割を占める日量4050万バレル規模を生産することを決めた。
原油価格は11月上旬、代表的指標のテキサス産軽質油(WTI)の先物価格が1バレル=84ドル台をつけるなど、約7年ぶりの高値水準となった。日米などはOPECプラスに対し、価格を抑えるため、一層の増産を求めていたが、OPECプラスは11月の閣僚級会合でこれに応じず、日米などは需給緩和のため石油備蓄を放出する異例の決定に踏み切った。
足元では、「オミクロン株」の感染拡大への懸念から原油価格は下落している。WTI先物価格は1日、1バレル=65ドル台まで下げた。原油価格の高値を維持したいOPECプラスにとって、追加増産は選択肢ではなかった。一方、予定通り増産を続けることで、消費国に一定の配慮を示したとみられる。
決定が伝わると、2日のニューヨーク原油先物市場では、WTIが一時、前日終値と比べ約3ドル値下がりし、1バレル=62ドル台に下落した。