熱海土石流、繰り返し7回以上発生…第4波で伊豆山港付近に到達

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 静岡県は26日、熱海市伊豆山で発生した土石流災害の発生原因などを調査する第2回検証委員会を開いた。当初の推定より多くの地下水が起点付近の盛り土に流入したことや、少なくとも土石流が7回発生したとの分析結果が示された。

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土石流に関する調査結果などを説明する難波副知事(26日、県庁で)
土石流に関する調査結果などを説明する難波副知事(26日、県庁で)

 県はこれまで、盛り土へ流入した水の多くは、逢初川流域に降った雨や地下水とみていた。水のしみこみやすさを調べるボーリング調査や川の流量観測調査の結果、隣接する鳴沢川流域からも地下水が多く流れ込んだことがわかった。

 また、住民が提供した動画などを解析し、土石流が7回以上にわたり発生したと推測。「第1波」は、流木を含む粘性の高い泥がゆっくりと流れ、途中で停止。その後、大量の土砂の第2波が、速い速度で下流まで流れ落ちた。土砂が止まった後も、後から土砂が覆いかぶさるように流れ込み、第4波で伊豆山港付近まで達した。その後も繰り返し土砂が流れたとみられる。

 このほか、盛り土の施工状況に関する情報の不足から、「(当初目的としていた)土石流発生のメカニズムを特定することは、困難と判断した」と説明。今後は特定にこだわらず、複数のケースを想定するという。難波喬司副知事は「排水設備など適切な工事が実施された場合に被害を防げたかを検証する」と述べた。

 来年1月下旬をめどとしていた調査報告書案の取りまとめは、調査に想定より時間がかかったため、3月になる見通しとしている。

市長「責任ないと言えない」

 静岡県熱海市の斉藤栄市長は26日の定例記者会見で、伊豆山地区で発生した土石流災害について、「(市長)任期中に起きた大きな犠牲を伴う災害で、非常に重く受け止めている。責任がないとは言えない」と述べ、市長としての責任に言及した。

 斉藤市長は「当時の私の判断が正しかったのか、そうでなかったのかということも含め、第三者に判断してもらう」と述べた。

 被害を甚大化したとされる盛り土に関する市の対応については、退職者を含めた担当職員からヒアリングを中心に調査を進めると説明。調査結果を市民にも公表する考えを示した。

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