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24日投開票の参院静岡、山口両選挙区の補欠選挙は、与野党の「1勝1敗」の結果となった。岸田内閣発足後初の国政選で「2議席死守」を目指した与党内では、31日に投開票が迫る衆院選への影響を懸念する声が出ている。静岡補選で推薦候補が競り勝った立憲民主党など野党は衆院選へ弾みとしたい考えだ。
山口補選は当初から自民党候補の優勢が伝えられ、自民は静岡補選で総力戦を展開した。告示日の7日に岸田首相や小渕優子組織運動本部長を静岡入りさせ、若林洋平氏のテコ入れを図った。
6月の静岡県知事選では、自民の前参院議員が、4選を果たした川勝平太知事に30万票以上の大差で敗れた。川勝氏は静岡補選で、立憲民主、国民民主両党が推薦した山崎真之輔氏の支援に回った。
自民の分析では一進一退の情勢が伝えられたが、党幹部は首相に「逃げずにやりましょう」と再度の静岡入りを進言。首相は21日にも応援に入り、「若林氏にまず先陣を切ってもらう」と衆院選を強く意識して支持を呼びかけたものの、知事選以降の悪い流れは結局、断ち切れなかった。
首相周辺は「2度も首相が入っての敗北は痛い。切り替えて衆院選に臨むしかないが、雰囲気が少し悪くなるのは避けられない」と懸念する。
野党は静岡補選で候補者を一本化できず、序盤は苦戦を予想する向きがあった。ところが川勝氏の支援などで情勢は好転した。立民の枝野代表は22日、静岡市で国民の玉木代表とともにマイクを握り、攻勢をかけた。
立民の福山幹事長は24日、記者団に「今回の(静岡補選の)勝利は岸田内閣や自民党に対する失望が広がっていることの表れだ。衆院選に向けて大きな弾みとなる」と述べた。