初出場の米倉、跳馬で銀「誇りに思う内容」 世界体操

最終日 男子種目別跳馬決勝 「ヨネクラ」を決める米倉英信=北九州市立総合体育館(代表撮影)
最終日 男子種目別跳馬決勝 「ヨネクラ」を決める米倉英信=北九州市立総合体育館(代表撮影)

体操の世界選手権最終日は24日、北九州市立総合体育館で種目別決勝後半が行われ、男子の跳馬は初出場で24歳の米倉英信(徳洲会)が14・866点で銀メダルを獲得した。

自身の名を冠した最高難度の「ヨネクラ」を豪快に跳んだ。鋭くひねって飛距離も十分。着地は前方に1歩弾んだが、しっかり収めて予選を上回る15・000点をたたき出した。2本目のヨー2は14・733点で、決定点14・866点。米倉は種目別跳馬で銀メダルを獲得し、「攻める演技ができた。誇りに思う内容になった」と納得した表情を浮かべた。

周到な準備が実を結んだ。東京五輪の代表選考までは五輪本番で使われるドイツ製のスピースの跳馬で練習していたが、世界選手権は中国製のタイシャン。8月からの約2カ月間で感覚を修正した。

スピースの特徴は跳馬の上部が前後に少し揺れる。対してタイシャンは上部の奥側が縦方向に跳ね返る感じがあるという。「スピースを跳ぶときみたいに自分から(跳馬に)突っ込むと体と跳馬との距離が近すぎてしまう。しっかり(跳馬の)上に乗った状態で手を着くように動かないといけない」。身長155センチ、体重52キロの体には、繊細な感性と、イメージを体現できる抜群のスピードが備わっている。

父も祖父も体操経験者の米倉は5歳から福岡市内のクラブで体操を始めた。岡山・関西高時代は2位ばかりで、指導者から「シルバーマン」と呼ばれたことがある。今回も銀メダルだが、世界の舞台だ。意味合いが違う。「これから(Dスコア6・0の)リ・セグァンにも取り組もうかなと思っている。向上心を持って頑張っていきたい」と、さらなる高みを見据えている。(宝田将志)

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